NVIDIAのフラッグシップGPU「GeForce RTX 5090」を取り巻く状況が、極めて深刻化しています。
発売当初ですら「高嶺の花」であったこのハイエンドカードは、ここ数週間で市場価格が急騰。多くの小売店で在庫が消滅し、二次流通市場では発売価格から45% 〜 80%増という異常なプレミア価格で取引されています。
ゲーマーの「あこがれ」が「悪夢」へと変わったこの現象。一体なぜ、発売から時間が経過した今になってこれほどの供給不足と価格高騰が起きているのでしょうか?
■ 1. 衝撃の数字:40万円が60万円〜へ
RTX 5090の日本国内における発売当初の目安価格(MSRPベース)は約39万8,000円前後からスタートしました。決して安い金額ではありませんが、その圧倒的な性能を考えれば、プロフェッショナルやハイエンドゲーマーにとっては納得のいく投資でした。
しかし、2026年1月現在、主要なECサイトやパーツショップの棚からその姿は消え失せています。
【2026年1月時点:市場価格イメージ】
| ステータス | 価格目安(税込) | 上昇率 |
| 発売当初 | 約39万円 〜 45万円 | 基軸価格 |
| 現在(1/21) | 58万円 〜 90万円 | +45% 〜 +100% |
| 二次流通平均 | 約65万円前後 | 転売価格ベース |
■ 2. なぜ今? 価格高騰を招いた「3つの主因」
単なる「人気商品だから」という理由だけでは、これほどの価格変動は説明できません。複数の要因が複雑に絡み合っています。
① NVIDIAによる供給量の「意図的な」削減報道
今月に入り、複数の海外テックメディア(Tom’s Hardware等)が、**「NVIDIAがGeForce RTX 50シリーズの供給量を15% 〜 20%削減した」**というリーク情報を報じました。
次世代に向けた生産ラインの調整や、より利益率の高いAI向け製品へのリソース集中が背景にあると噂されています。この「供給減」のニュースが市場に駆け巡ったことで、パニック買いと投機的な動きが加速しました。
② 止まらない「AI需要」と「VRAM不足」
依然として生成AIブームは過熱しています。企業向けのAI専用GPU(H100/H200など)は数百万円〜数千万円と極めて高額で入手困難です。
その代用として、32GB(またはそれ以上)の大容量VRAMを搭載するRTX 5090が、AIスタートアップや研究機関によって**「安価な代替品」として買い占められています。**
③ 転売・スカルピングの再燃
供給が絞られた瞬間、転売ボット(スカルパー)が再び活発化しました。特に今回は「中国市場への輸出規制」の抜け穴として、他国で購入されたRTX 5090が非正規ルートで高値で流れているという指摘もあり、正規ルートの在庫枯渇に拍車をかけています。
■ 3. ユーザーの選択肢は? 「PCごと買う」逆転現象
この異常事態において、皮肉な現象が起きています。
**「グラフィックボード単体を買うよりも、RTX 5090搭載のBTOパソコン(完成品)を買うほうが現実的でお得」**という状況です。
JIKKAIチェック:
大手PCメーカー(HP、Dell、Lenovoなど)やBTOショップは、パーツ単位の市場とは別のルートでGPUを確保しているため、単体パーツほど極端な値上げが行われていないケースがあります。
フリマサイトで単体カードに60万円を払うくらいなら、CPUや電源までセットになったハイエンドPCを80〜90万円で購入する方が、結果的な満足度は高いという逆転現象が起きています。
■ 結論:今は「待ち」か「覚悟」か
残念ながら、専門家の多くはこの高騰が**「数ヶ月単位で続く」、あるいは「2027年まで解消しない」**可能性すら示唆しています。
- 今すぐ必要ではない場合: 静観するのが賢明です。現在の価格は明らかにバブルであり、正常な需給バランスではありません。
- どうしても必要な場合: 単体パーツを探して消耗するより、BTOパソコンのセールを狙うか、RTX 5080など下位モデルでの妥協を検討すべき時が来ています。
RTX 5090は、もはや単なるゲーミングパーツではなく、**「資産」や「産業機械」**のような扱いになってしまいました。我々ゲーマーにとって、冬の時代はまだ続きそうです。
■ 星評価:RTX 5090の「現状」
| 項目 | 評価 | 理由 |
| 性能 | ★★★★★ | 紛れもなく人類史上最強のコンシューマーGPU。 |
| 入手性 | ★☆☆☆☆ | ほぼ壊滅的。正規価格での購入は奇跡に近い。 |
| 価格正当性 | ★☆☆☆☆ | 45%アップはもはや異常事態。 |
| 資産価値 | ★★★★★ | 買えれば「勝ち」という歪んだ市場価値。 |
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